リンク
花沢支配人は青ざめた。なんの因果か、今宵、我らが「プリズンホテル」へ投宿するのは、おなじみ任侠大曽根一家御一行様と警視庁青山警察署の酒グセ最悪の慰安旅行団御一行様。そして、いわくありげな旅まわりの元アイドル歌手とその愛人。これは何が起きてもおかしくない…。仲蔵親分の秘めた恋物語も明かされる一泊二日の大騒動。愛憎ぶつかる温泉宿の夜は笑えて、泣けて、眠れない。(「BOOK」データベースより)
今回のプリズンホテルのお客は大曽根一家と警視庁青山警察署の署員という最悪の、いや最高の組合せの一行です。そこに大御所と言って良い歌手真野みすずと売れない歌手柏木ナナ、更に指名手配犯とが絡みます。
また、今回の主人公の木戸孝之介の連れは、孝之介の愛人である田村清子の六歳の娘の美加ということになっています。
登場人物が以上のような次第なので前作にも増してのハチャメチャぶりで、スラップスティックな笑いを得意としていた筒井康隆を思い出してしまいました。
しかし、筒井康隆の作品には諷刺の効いた冷笑とでも言うべきところがありますが、本作品の場合、随所に現在の浅田次郎を彷彿とさせるストレートな人情話が顔を見せています。
皮肉めいた雰囲気は無く偽悪さでおおわれた作品で、任侠道を前面に、家族愛をその陰に隠しながら話は進んでいきます。
また、主人公の木戸孝之介の生い立ちや叔父である木戸仲蔵の知られざる過去などが少しずつ明かされていきます。
話の進行は少々収拾がつかない感じにはなっていますが、それでも面白い小説です。
二時間もあれば読み終える程に読みやすく、それでいて妙に心に残る作品です。

コメント
他の人の話を聞いても、浅田次郎の作品は面白いと言ってます。
・・・
ところで、「読んだ屋」の表の作家一覧に何故浅田次郎が紹介せれて無いのですか?
以前、プリズンホテルの夏、秋、と4巻を読みました。
冬はちょっと雑な感じがしました。
他のコメントで浅田次郎は
「冬を執筆しているときに他の本の締め切りに追われていた」という記事を読みました、そんなこともあるのでしょうね。
お勧めの「輪違屋糸里」を今ゆっくりと読んでいます。
> ところで、「読んだ屋」の表の作家一覧に何故浅田次郎が紹介せれて無いのですか?
まだ紹介できるほどの作品を読んでいないからです。
新撰組三部作とプリズンホテルを2冊だけなので。
もう少し他の本を読んでから表に纏めようと思っています。
いつも有難うございます。
> 以前、プリズンホテルの夏、秋、と4巻を読みました。
「プリズンホテル」はあと冬と春の2冊が未読です。
これから読もうと思ってます。
> お勧めの「輪違屋糸里」を今ゆっくりと読んでいます。
新撰組三部作は引き込まれて読みました。
評判もいいようです。
好み次第ですが、多分面白く読まれると思いますよ。