政治家やタレント、ネットでつぶやく一般人に至るまで、世間は不用意な失言で顰蹙を買うヤツばかり。その点、この男はひと味違う。ヒヤヒヤものの毒舌をマシンガンのように繰り出しつつも、その言葉は常に人々を頷かせる説得力を持っている。悪口・暴言も言い方ひとつで武器になる―。天才・ビートたけしが、自らの死生観や芸人論を交えながら「顰蹙の買い方」の極意を語る。(「BOOK」データベースより)
私の好きな芸人さんの一人である「ビートたけし」の言葉をつづった文章です。
常に毒を吐き、それを笑いに変えてテレビの中でシニカルな笑いを浮かべている芸人さんです。述べてあることは実に正論だと思います。でも、その正論をなかなかに言えないのが今の社会なのでしょう。
勿論この中で言われていることに全面的に賛成というわけではありませんが、概ね納得させられてしまうのではないでしょうか。大半の人はそうだと思います。
週刊誌に連載されている「たけし」の連載をまとめたものだそうです。この人はやはりすごいと思わされる言葉が並んでいます。
例えば、「悲しみは本来『個人的なもの』」という項の中で、東日本大震災に関し、「2万人の人が死んだ一つの事件」と考えると被害者のことを理解できない、「人の命は2万分の1でも8万分の1でもない。そうじゃなくて、そこには『1人が死んだ事件が2万件あった』ってことなんだよ」、と言います。個々人の悲しみを想像できないようになってくる、それこそが冒涜だ、と。
また別の項では、「人間、自分が圧倒的に優位な立場にいるときに、相手にどう振る舞うかで品性みたいなものがわかる。」とも言っています。「弱い立場の相手をかさにかかっていじめるのは、とにかく下品なんだよ。」というのです。
日ごろ自分がテレビでやっていることは滅茶苦茶なことのように思えるのですが、それもしたたかな計算の上にあるものなのでしょう。
実に小気味よく、説得力ある言葉が並んでいます。短時間で読めます。是非一度読んでみることをお勧めします。

コメント
たけしが監督した「ある夏の静かな海」?「花火」抒情的な素敵な雰囲気を醸した作品でした。
たけしの本は読んだことがありませんが、いろいろと才能がある方のようです。
本日2/22読売新聞に芥川喜好編集委員の文に心のどこかの神経が動いたようです。映画「ハンナ、アーレント」について語っています。ハンナはユダヤ系哲学者とのことです、
ユダヤ大虐殺のアイヒルマン裁判を取材、そこでアイヒルマンは
一貫して命令されてしたことを訴える普通の人だった。
=自分の頭で考えてくれ= がこの記事のタイトルです。
私達普通人は、もしかして大虐殺のいったんに触れる場合を示唆しています。
いつも当ブログを読んで下さって有難うございます。
> たけしの本は読んだことがありませんが、いろいろと才能がある方のようです。
私も北野武監督の作品は殆どを見ています。
「菊次郎の夏」などは久石譲の音楽が素晴らしかったですね。
でもやはり「その男、凶暴につき」が一番でしょうか。
> 本日2/22読売新聞に芥川喜好編集委員の文に心のどこかの神経が動いたようです。映画「ハンナ、アーレント」について語っています。ハンナはユダヤ系哲学者とのことです、
読売新聞はあまり読まないのですが、映画「ハンナ・アーレント」のことは何も知りませんでした。この頃はエンタメ系の映画しか見なくなってしまいました。