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晩夏 – 東京湾臨海署安積班


昨日、森詠の「彷徨う警官」を読み終え、次いで今日、作業の合間に本書を読み終えました。

そのくらい軽く読めるということでもあるのですが・・・。

やはり、物語自体と言うよりも、登場人物の設定、話の運び方が今野敏は格段に面白い。作品を比べること自体申し訳ないのだけれど、「彷徨う警官」に比べ人物設定が今野敏の方が明確で分かりやすいのです。

更に言えば、今野敏の方が会話が自然で淀みがありません。主人公の安積は常に人に配慮し、その顔色をうかがっていながら、それでいて安積は安積らしく、また速水は速見らしく話しています。そして、その会話の運びの中で物語は進んでいきます。

何よりも今野敏の作品は物語自体ではなく、人間関係を主題に書いており、一種の人情もののような心地よさがあるように感じられます。言い過ぎかもしれないけど、ストーリーはそのあとを付いてくるだけです。謎解きの要素は二の次で、人間が一番なのです。

登場人物の一人、若手の谷口という刑事の成長ぶりも、ステレオタイプという向きもあるかもしれませんが、定番の良さがあります。

安積班シリーズの面白さは、あの87文書シリーズにも似た、安積とその仲間たちとのチーム、人間関係の面白さだと思われ、本書はまさにその面目躍如たる作品だと思います。

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