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ブラックガード | 木内 一裕


小学三年生の娘と二人暮らしの私立探偵・矢能。久しぶりの仕事は「二億円の商品取引」の交渉人。だが、なぜ彼が選ばれたのかは明かされなかった。そして、取引現場で目的不明の殺人が起きる。元ヤクザの探偵×掟破りのミステリー。(「BOOK」データベースより)


『矢能シリーズ』第五弾の長編ハードボイルド小説です。

シリーズ第一弾での名無しの探偵のあとを継いだ元ヤクザの矢能の探偵としての姿もすっかりと板についていて、栞との仲も順調です。

ただ、矢能の仕事は相変わらずにヤクザを相手としていますが、それは矢能の前身からして当然のことでしょう。

今回の依頼は、取引相手が矢能を相手としてだけ取引すると言ってきたという仕事でしたが、そのうさん臭さからその依頼を断ります。

しかし、依頼者の孫娘が取引相手に誘拐されたため矢能は依頼を請けざるを得なくなり、その取引の現場で予想外の殺人事件が起きてしまうのです。

なぜ、矢能をとし引き相手として指名してきたのか、なぜ取引の現場で殺人事件が起きてしまったのかなど、その取引に隠された謎を解きながら物語は進みます。

物語の中での栞の位置が絶妙で、強面ではあるものの底は優しい矢能の描写がうまことはあらためて言うまでもないことです。

ですが、やはり娘となった栞との会話などのうまさは何度でも指摘することになります。

それは、美容院のお姉さんとの関係でも同じことが言えます。ヤクザな矢能とユーモラスな矢能との対比はここでも魅了されてしまいます。

そして、それこそが本シリーズの一番の魅力だと言えます。

また、矢能を引きずり込んだ理由が明らかにされるにつれ、ストーリー展開の妙にもどっぷりとつかっていることに気付き、本書のエンターテイメント小説としての魅力を思い知らされているのです。

まだまだこの後も続いていくシリーズでしょう。楽しみです。

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