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妖の掟 | 誉田哲也


盗聴器の仕掛けがバレてヤクザに袋叩きにあう圭一を気まぐれで助けたのは、坊主頭の欣治と人形と見紛う美貌の持ち主、紅鈴だった。圭一の部屋に転がり込んだ二人にはある秘密が―(「BOOK」データベースより)


本書『妖の掟』は『妖の華』に続く『妖シリーズ』第二弾の長編のアクションホラー小説です。

誉田哲也の作品だけにエンターテイメント小説としてそれなりの読みごたえはあったように思いますが、近時の誉田作品の中では今一歩だったという印象でした。

実は、私は前作『妖の華』は吉原が舞台だったとの記憶があり、既に読んだものとして本書を読み進めていました。前作を読んだのがかなり前であったために細かな内容が全く頭に残っていないのも当たり前だと思っていたのです。

しかし、それは勘違いで、私が読んだのは『吉原暗黒譚』という作品でした。どうもかすかにあった江戸の吉原が舞台だったという記憶はほかの作品についての記憶だったようです。

ということで、結局はシリーズを第二巻目から読んだことになります。

本書『妖の掟』は、前作『妖の華』の中で記述されていた「大和会系組長連続殺害」事件を具体的に描いたものです。

つまり、時系列的には本書があって、『妖の華』が続きます。

本書の主人公である紅鈴と相棒の欣治は、自分ら二人が吸血鬼である事実を知っても動揺しない辰巳圭一という男と知り合い共同生活を始めます。

その結果その辰巳圭一との関係で暴力団組長の連続殺人を犯すことになるのです。

設定はB級映画のような設定ですが、中身もまさにその通りのものです。単純にエロスとアクションとを楽しめばいい、そんな作品です。

さすがに誉田哲也の描く作品であり、主人公紅鈴の心象はより深く描き出されているのではないでしょうか。

前作『妖の華』もデビュー作品とはいえテンポなど物語の運びはデビュー作とは思えないリズムがあったと思います。

しかしながら、本書『妖の掟』はエンターテイメント小説の第一人者と言っても過言ではない作家となっている誉田哲也のアクション小説です。

エロスとバイオレンス満載の長編伝奇小説という、私の好みの分野の物語ということもあり、楽しく読むことができました。

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