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『榊原健三シリーズ』の第一作目の長編のアクション小説です。
ススキノ探偵や私立探偵畝原とは全く異なるピカレスクロマンと言って良いのでしょうか。
一種のファンタジーとして読みました。スーパーヒーローの活躍する物語です。
主人公の榊原はストイックで、強さは半端なく、普段は片田舎で木工製品を売って生活の糧にしています。そこに昔の兄貴分が、かつての恋人との安全との引き換えに助っ人を頼みに来たことから物語は動き始めます。
かつての恋人の身の安全を取引の材料にしただけで、この兄貴分を殺し、更に恋人の情報を知っているだろう昔の仲間を殺しに札幌の街に現れます。
読み手には物語の背景情報は全く与えられず、話が進むにつれ少しずつ明かされます。
面白い物語というものは登場人物のキャラクタ設定がよくできているとあらためて感じさせられた作品でした。
かつての西村寿行の本は全くの荒唐無稽なスーパーヒーローの活躍の物語でした。この作品は、西村寿行よりはり現実的ですが、ススキノ探偵よりは夢物語です。
でも、面白い。
文体を別にすれば大沢在昌の小説に出てきてもおかしくない主人公のような気がします。北方謙三には出てこないでしょう。

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