近代国家日本の幕開けと壮絶な人間ドラマ。巨大な感動が襲う傑作時代長編 。「飲むほどに酔うほどに、かつて奪った命の記憶が甦る」―最強と謳われ怖れられた、新選組三番隊長・斎藤一。明治を隔て大正の世まで生き延びた“一刀斎”が、近衛師団の若き中尉に夜ごと語る、過ぎにし幕末の動乱、新選組の辿った運命、そして剣の奥義。
沖田、土方、近藤ら仲間たちとの永訣。土方の遺影を託された少年・市村鉄之助はどこに消えたのか。維新後、警視庁に奉職した斎藤は、抜刀隊として西南戦争に赴く。運命の地・竹田で彼を待っていた驚愕の光景とは?
慟哭の結末に向け、香りたつ生死の哲学が深い感動を呼ぶ完結篇。
解説・山本兼一(上巻 : 「BOOK」データベースより)
沖田、土方、近藤ら仲間たちとの永訣。土方の遺影を託された少年・市村鉄之助はどこに消えたのか―維新後、警視庁に奉職した斎藤一は抜刀隊として西南戦争に赴く。運命の地・竹田で彼を待っていた驚愕の光景とは。百の命を奪った男の迫真の語りで紡ぐ鮮烈な人間ドラマ・浅田版新選組三部作、ここに完結。(下巻 : 「BOOK」データベースより)
明治天皇が崩御し、時代は大正に変わった頃、全国武道大会の決勝まで進む腕を持つ近衛師団の梶原中尉は、全国武道大会で五年連続優勝を成し遂げている榊吉太郎から新撰組副長助勤の斎藤一という人物のことを聞いた。
斎藤一の家に酒を片手に毎夜話を聞きに行く梶原は、新撰組のこと、そして剣のことについて話を聞くことになるが、それは壮絶な体験となるのだった。
先日NHKの大河ドラマ「八重の桜」が終わりました。その中で斎藤一を演じていたのはDragon Ashの降谷建志でしたが、やはりかっこよく、意外に演技も上手いじゃないか、などと思いつつ見ていました。
「八重の桜」というドラマは、今までにない、会津の視点から明治維新を見ると言う機会を与えてくれました。
そして、会津藩から八重を始め、京都府議会の初代議長にもなった八重の兄である山本角馬や東京・九州・京都の各帝国大学の総長になった山川健次郎など、錚々たる人材が輩出していることを知りました。
新撰組隊士の斎藤一が会津に居たことをも知ったのもこのドラマでした。丁度そうした事実を知った折に本書の存在を知ったのです。
これまで新撰組の物語は数多くありますが、斎藤一に焦点を当てた作品は無かったと思います。その斎藤一の名前をひっくり返すと一刀(藤)斎ということらしいのですが、この一刀斎に新撰組の話を語らせるのです。
タイミングが良かったのでしょう。それまで浅田次郎の本は何度か読みかけては挫折していました。新撰組三部作と言われる「輪違屋糸里」も「壬生義士伝」も頭の少しを読んでは投げ出していました。
浅田次郎作品を原作とする映画は殆ど、それもかなり面白い映画として見ているのですから、原作が面白くない筈は無いのだけれど、何故か波長が合わないとしか言いようはありません。
それが、斎藤一という人物に関心が出来たときに本作品との出会いがあったこと、更に、本書が頭から剣道で始まり、程なく斎藤一の語りが始まると言う、私にとって取り付きやすい構成であったことなどから、投げ出さずに読み終えることが出来たのでしょう。
本書を読了した今、職人としか言いようのない文章の素晴らしさと物語の上手さ、面白さの虜になっています。また、他の作品を読みたいものです。

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