テロや民族紛争の激化に伴い発達した近接戦闘兵器・機甲兵装。新型機“龍機兵”を導入した警視庁特捜部は、その搭乗員として三人の傭兵と契約した。警察組織内で孤立しつつも、彼らは機甲兵装による立て篭もり現場へ出動する。だが事件の背後には想像を絶する巨大な闇が広がっていた…日本SF大賞&吉川英治文学新人賞受賞の“至近未来”警察小説シリーズ開幕!第一作を徹底加筆した完全版。(「BOOK」データベースより)
十数年前にコミックやアニメでかなり人気を博した「機動警察パトレイバー」の小説版、と言ってもいいかもしれません。それほどに世界観が似た小説です。と言っても、アクション小説としての面白さは、単なるアニメ類似の作品として捉えていては大きな間違いを犯すことになります。
冒頭からハリウッド映画を思わせる展開で幕を開けます。犯人は「機甲兵装」、簡単に言えばSF小説や映画によく登場するパワースーツです。
この手のSFやアニメが苦手な人でもちょっとだけ我慢して読み進めてもらえれば、単なるエンタメ小説とは少々異なる骨太のアクション小説であることが分かると思います。
主人公は警視庁内に設けられた特捜部であって、そこが保有する「龍機兵(ドラグーン)」と呼ばれる三機の新型「機甲兵装」を核に物語は進みます。
つまり、特捜部を纏める部長の沖津旬一郎や城木、宮近といった理事官、「龍機兵」の技術的側面を管理する鈴石緑技術主任、そして「龍機兵」を操縦する姿俊之、ユーリ・オズノフ、ライザ・ラードナーの三人などです。
これらの登場人物の個性がユニークに、そして綿密に書き込まれています。また姿を始めとする操縦要員達が傭兵、元IRAのテロリスト、元ロシア警察官と物語上魅力的に設定されているのです。
確かに、SFやコミックがあまり好きではない人たちにとっては冒頭から「機甲兵装」が暴れまわるという設定はあまり受け入れにくいかもしれません。しかし、その点さえ少々目をつぶって読み進めればアクションの面白さ、登場人物の個性の描き分け、など予想外の面白さを見つけることが出来ると思います。
難点を見つめるとすれば、それは若干の美文調の、そして似たことになるのかもしれませんが、少しの感傷が見られるその文章でしょうか。しかし、それも個人の嗜好の問題であってその点が良いという人もいることでしょう。
本作での特捜部の位置付けが全警察官から嫌われている部署である、という設定からも、決して明るい物語ではないのです。とすれば、自然登場人物も鬱屈を抱えて行動することになるのでしょうし、人物の情緒的側面が強調されるのもかえって効果的なのかもしれません。
本作は機龍警察シリーズの一作目であり、「龍機兵」は何処からどうやって警視庁特捜部にやってきたのか、何故三人の操縦者達は外部の人間なのか、沖津旬一郎はどういう人間なのか、警察内部に巣くう反対勢力は何者なのか、など本書を読み終えても分からない謎は山ほどあります。そうした謎は今後のシリーズの展開の中で明らかにされていくのでしょう。
ということで、本書ではまず姿俊之の過去が若干明らかにされています。次巻ではライザ・ラードナーに、第三巻ではユーリ・オズノフに焦点が当たっているようです。
繰り返しますが、かなり面白いアクション小説であり、冒険小説です。

コメント
早、11月に暦がうつりました。
文具店で来年の手帳を買います。
気にっている手帳があるのでそれを探します。
現実は第一線から離れているので手帳も携帯電話も
さほど活躍はしないと思います。
本に親しんで楽しみとしたいです、機龍警察シリーズは数ある本の中でそく選択、その内に読む、などのランク付けから外れました。
読める本の数が限られることはやむを得ません。
食事も作るし、パソコン操作もあるし、ラジオ体操もします。
> 本に親しんで楽しみとしたいです、機龍警察シリーズは数ある本の中でそく選択、その内に読む、などのランク付けから外れました。
少々特異な設定なのでなかなか手にとりにくいでしょうね。
確かに時間は限られていますし、それもまた仕方のないことでしょう。