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春告鳥


江戸時代にも「占い」は流行し、女性たちはそのお告げに一喜一憂していた。実際に出版されていた占い本「女用知恵鑑宝織」。女の吉凶を生まれ月ごとにズバリあてるこの本をめぐる女の喜びと悲哀―。月ごとの風物を織り込みながら、江戸の女の恋愛を生き生きと描き出す、切なくも愛らしい傑作時代小説。(「BOOK」データベースより)


女の喜びや悲しみを十二通りの各月の占いになぞり描き出している短編集です。

「女用知恵鑑宝織」(おんなようちえかがみたからおり)という実際に出版されていた占いの本をネタにしてあり、各月の占いの文言も紹介されていますが、よく意味が分からないというところが正直な感想です。

前世の行いを挙げてこの世での運命を書いてあり、勿論、物語の中にその意味の解説もあるのですが、何故そのような解釈になるのかが分からないのです。

でも、占いは話の本筋ではないので、その点は深く考える必要も無いのでしょう。何より、各月の物語がよく練られていると感じます。

勿論、気にいった短編もありますし、そうでない短編もありますが、総じて、品の良い文章で流れるように語られる十二の物語は、女性向けかなと感じました。

ドラマチックに話が展開する場面は少なく、殆どの物語は明日への希望を示唆して物語は閉じられます。

エンタテインメント性に富んでいるという訳ではないので、物足りないという人もいるかもしれません。

しかし、江戸の町の各月の情景を織り込んで語られる、読みやすい短めの十二の物語も、たまにはゆっくりとした時間を持って良いのではないでしょうか。

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