父の転勤に伴い渡米し、フィラデルフィアのミリタリースクールで聡明な頭脳と強靱な肉体を造り上げた朝倉恭介。その彼を悲劇が見舞う。航空機事故で両親が他界したのだ。さらに正当防衛で暴漢二人を殺害。以来、恭介は、全身全霊を賭して「悪」の世界で生きていくことを決意する。彼が創出したのは、コンピューター・ネットワークを駆使したコカイン密輸の完璧なシステムだった。「朝倉恭介VS川瀬雅彦」シリーズ第1弾。(「BOOK」データベースより)
殆ど大藪春彦の世界です。まさに伊達邦彦や朝倉哲也を彷彿とさせてしまう主人公なのです。
本書の主人公朝倉恭介は父親の仕事でアメリカでの暮らす中に両親を航空機事故で亡くし、莫大な補償金を受け取ることとなった。ミリタリースクールで頭脳と肉体を鍛えていた朝倉恭介は、自分の未来を法の裏側の世界に見出す。
友人の父親だったニューヨークマフィアのボスの仕事を手伝い、コンピュータを駆使し日本でのコカイン販売網を構築ししようとする朝倉恭介だったが、既存勢力との衝突が避けられないこととなった。
本書は全六部からなる朝倉恭介と川瀬雅彦とを主人公とするシリーズの一作目だそうです。
確かに、本書は殆ど主人公の紹介で終わっていると言っても過言ではないようなかなり欲求不満に陥りそうな内容でしたが、これから第二の主人公が登場し、本格的に物語が始まるという前哨戦と読めなくもありません。それにしても長い前哨戦ということになりますが。
でも、出来ればもう少し大藪春彦とは異なる特徴が一作目から欲しいと感じてしまいました。それほどに印象が似ていたのです。
テキストベースのコンピュータでニフティ・サーブを使いこなすような、そうした時代の古さもそれ程気にならないだけにおしいと思ってしまいました。
大藪春彦の世界はもっと車と銃への執着が激しく、アクションも派手です。多分本シリーズの主人公ももっと派手なアクションが待っていることなのでしょう。
私はまだこの本がこの作者の作品の一冊目なので、新たな世界が今後展開されることを期待して次の本を読むつもりでいます。

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