過失殺人で服役した少年と刑務官が、冤罪の恐れのある死刑囚の無実を証明しようと走り回る話です。
昨日に続き、この本もまた重い本で、途中までもう読むのを止めようかと何度か思いました。
死刑制度については私も昔法律関係の仕事に就いていたこともあり、少々考えたことはあります。この本の中に出てくる教育刑主義と応報刑主義の対立は、別に死刑制度についての考え方の話ではなく、刑罰そのものについての2つの大きな考え方です。
結論は簡単に出るものではありませんが、現代の通説と言われる応報刑主義に何となく、そういうものかもしれないという感じを持ったことがあります。
本書は、中ほどでは回想シーンの多用などで死刑制度そのものの問題点等を読者に真正面から提起します。
これが少々重かった。メインの物語は進まずにこれでもかと問いかけてくるのです。
横山秀夫の「半落ち」も問いかけるテーマは重く、決して明るい本ではありませんでしたが、それなりに物語として、誤解を恐れずに言えば「面白く」読めました。でも、本書は何故か物語世界に入っていけないのです。体調次第では読むのを止めてしまったかもしれません。
終盤、物語は急展開を見せ、作品に引き込まれました。今は最後まで読んでまあ良かったとは思っています。やはり選考委員の満場一致で第四十七回江戸川乱歩賞を受賞した作品だと思っているのです。
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おはようございます。
あ、昨日書いた「13階段」ですね。
この小説は、本当に重かったですが、私は別の部分で、とてもワクワクしたんです。
登場人物、特に、青年と主人公の関係性。
このふたりに興味を持ってしまったので、ラストあたりのクライマックスは、とてもドキドキするものでした。
私も趣味で小説を書いているのですが、この作品は「死刑というもの」を読者に問うというよりも、あのラストの展開が狙いの、エンターテイメントではないかと思ったのです。
ただ死刑制度というものを考えさせる重いテーマのものならば、私もたぶん辛かったと思うのですが、何かこの先に、作者が仕掛けた本当の狙いがあるな、と思ったので、楽しく読めました。
この作者は、エンターテイメントの人だな、と感じます。(勝手にですが)
とはいえ、死刑制度というものに、私も疑問を持っていたので、そちらの勉強にもなりましたし、とても得るものの多い作品でした。お気に入りです。
長々と、ごめんなさい^^
いろんな意見が読めて、読書ブログさんを覗くのは、とても楽しいです。
途中の死刑制度についての展開の部分をその後の布石の一つとして読まれたのですね。
そういう観点での読み方を正直しませんでしたので、軽い驚きでした。
勿論本の読み方ですから正しい読み方などは無いにしても、自分の読み方が一面的ではあるとは思いました。
少々死刑制度についての描写がインパクトがあったもので引きずられたのかもしれません。
エンターテインメントですしね。
おっしゃるように、このように他の方の意見を聞かせてもらうのは新しい視点が見えて面白いものですね。
これからもよろしくお願いします。
「幽霊人命救助隊」も読み終えました。