雨の大川端を蛇の目をさして去って行く嫂佐江の後ろ姿を描いた光線画「東京新大橋雨中図」で好評を博した最後の木版浮世絵師小林清親は、もと御蔵屋敷の御勘定掛であった。彼の波瀾に充ちた半生と江戸から明治に移り変わる時代の流れ、風俗、そして庶民の生きざまをあざやかに描いた第100回直木賞受賞作。
明治浮世絵の三傑の一人に数えられ、最後の浮世絵師と呼ばれた小林清親の物語です。
本所御蔵屋敷の御勘定掛であった小林清親は同役の堀保太郎と共に御蔵屋敷の引き渡しを終え、年老いた母と共に駿府へ移住することになる。
しかし、生活出来るだけの扶持を貰えず、撃剣興行に身を預けるが上手くいかず、結局江戸へと舞い戻ることとなった。そこで、大黒屋と知り合い、画で身を立てる決心をする。
読み進めているときは主人公が実在の人物だとは知らずに、この作者の「信太郎人情始末帖」とは随分とタッチが異なる作品だと違和感を感じながら読んでいました。それは題材が浮世絵という世界の話だからかもしれません。本書の方が十年程も早い時期に書かれているという、書かれた時期の問題なのかもしれません。
これまで幾多の明治維新関連の物語を読んできたと思いますが、本書の視点はユニークです。明治維新を、言わば負けた側の下級武士であった小林清親の眼から見た物語なのです。
幕臣であった身で生活もままならず困窮していく中江戸に舞い戻り暮らす小林清親ですが、その眼に映るものは迫力の陸蒸気(おかじょうき)であり、灯がともった硝子入りの窓の新橋ステンションなのです。そうした新しい江戸、東京の町の描写を織り込みながら小林清親の絵師としての成長が描かれていきます。
光線画という新しい手法で注目されそれなりの名を成す小林清親の、彼を取り巻く人々や女性との関わりをも含めた、一市民としての生活を描いた、第100回(昭和63年度下半期) 直木賞受賞作品です。
しかし個人的には、面白い小説ですから是非読んで下さい、とは言えない本でした。どこが、という説明が少々難しいのです。勿論直木賞を受賞する作品ですし、確かに素晴らしい作品なのですが、個人的には読みたい本ではなかったということです。
View Comments
ふ~ん読みたい本ではなかった![絵文字:v-403]
・・・・???
全然関係ないのですが
手が冷たくないように暖房を付けて布団の中で本を読んでるとすぐに眠くなり、何度も本をパタッと落としてどこまで読んだか分からくなり・・・
ちっとも先に進みません[絵文字:e-260]
> ふ~ん読みたい本ではなかった![絵文字:v-403]
> ・・・・???
面白くないわけではない、のだけど、のめり込んで読むほどではなかった、のです。
どことなく醒めた目で見ていたと言ってもいいのかな?
> 全然関係ないのですが
> 手が冷たくないように暖房を付けて布団の中で本を読んでるとすぐに眠くなり、何度も本をパタッと落としてどこまで読んだか分からくなり・・・
> ちっとも先に進みません[絵文字:e-260]
ホントに全然関係ない。
でも、らしくて分かります。