吉原の引手茶屋の子持ち後家、おぬいと深い仲になり、内証勘当された老舗太物問屋美濃屋の跡取り息子、信太郎。子供も授かった二人に救いの手を差し伸べたのは、他ならぬ父、卯兵衛だった。日々の暮らしの中で培ってきた「きずな」が彼らの人生を大きく変えていく、大好評シリーズ第四弾。(「BOOK」データベースより)
このシリーズも4作目です。「昔の男」「深川節」「ねずみ花火」「鳴かぬ蛍」「きずな」の五作品が収納されています。
本書では捕物帳としての色合いは薄れ、信太郎とおぬいとの生活に訪れる変化が描かれています。
焦点が当たっているのは、貞五郎という男です。
御家人でありながら芝居の囃子方として笛吹きをしていたのですが、この男の生活に訪れた変化が信太郎にもかかわってくるのでした。
おぬいの身にも大きな変化が訪れます。それは信太郎の父親の美濃屋卯兵衛との個人的なつながりができたことであり、つまりは信太郎にもかかわってくることになるのです。
シリーズも四巻目ともなるとすでに愛着がわいてきた登場人物の動向も気になるとともに、作者の筆の運び方が一段とリズムに乗ってきている点もうれしいことです。
シリーズの残りも少しになってきたことが寂しく感じられます。