信太郎の幻馴じみ、元吉が何者かに刺された。その背後には、せつなすぎる恋と、大きな「狐」のたくらみがあった―。ご一新まであと十四年。黒船には大騒ぎした江戸っ子たちが、今も昔も変らぬ人情で、闇に潜んだ巨悪のからくりを解き明かす。これぞ、捕物帖の醍醐味!大好評の人情始末帖シリーズ第3弾。
本シリーズの三作目で、「闇の筋書き」「きさらぎ十日の客」「第十四番末吉」「狐釣り」「死一倍」の五作品が収納されています。
信太郎とおぬいとの間の子が生まれそうになっていた。そのため、信太郎の実家では信太郎の母親と姉たちが騒がしくしていたが、父親の卯兵衛の存在が大きかった。
そんな時、本シリーズの第一作目「おすず」でおすずの自死の原因を作った押し込みらが牢抜けをしたという。当然というべきか、彼らの捕縛に一役を買った信太郎のもとにも恨みを晴らすために来るかもしれなかった。
また、信太郎の幼馴染の元吉が何者かに刺されてしまう。元吉が惚れ、一緒になろうとした女が行方不明になっている医者の女房であり、元吉は医者の行方不明事件を調べていたというのだった。
本シリーズは信太郎とおぬいとの暮らしを、その周りの人々の生活も巻き込んで描いてあります。
というより、幕末の騒然とした世相の中を必死に生き抜く一般庶民の姿をえがく、普通の人々の普通の生活を描写しているシリーズです。