西暦2499年、人工宇宙島群スカイシー3で遭難した《救世群》の少女イサリは、《非 染者》の少年アイネイアに助けられた。
二人は、氷雪のシリンダー世界を脱出するた めの冒険行に出発するが――。
一方、太陽系世界を支配するロイズ非分極保険社団傘下の、MHD社筆頭執行責任者ジェズベルは、
近年、反体制活動を活発化させる《救世群》に対し、根本的な方針変更を決断しようとしていた。
大いなる転換点を迎える第6巻前篇(AMAZON内容紹介)
『天冥の標シリーズ』の第六部の第一巻です。この第六部はPART3まであります。
スケールは大きいのですが、昔ながらのSFファンとしては、いわゆる「新しい波」の時に感じたような若干の読みにくさを感じました。
物語として何となく回りくどいと言うか、冗長と言って良いのか、とにかく理屈が先にある感じがして、その世界に入りにくいのです。
『天冥の標シリーズ』は全十部、文庫本にして全十七冊になる大シリーズです。このシリーズが読む価値が無いほどに面白くない、などと言う気はありません。
それなりに面白いとは思うのだけれど、時間を忘れて読みふける、とはいかないのです。
ただ、物語の根底には全体を流れる大きなストーリーがある中、各巻が独立しても読める物語であり、最終巻でそれらの物語が結末に収斂していくという構成だ思われます。
その手法自体は珍しいものではないのだけれど、最終巻で全体像が見える面白さ、というのはあるのでしょう。
それにしても、作家と呼ばれる人たちのイマジネーションの豊かさには脱帽します。