どうしても「読み終えられない本」がある。結末を求めて悶えるメンバーは東奔西走。世紀の謎はついに…。第6回高校生直木賞受賞作。(作品紹介)
本書は2019年本屋大賞候補作であり、また第160回直木賞候補作ともなった長編の幻想小説です。
目次
第一章 沈黙読書会
第二章 楽団の男
第三章 満月の魔女
第四章 不可視の群島
第五章 『熱帯』の誕生
本書に登場する『熱帯』という小説は最後まで読み終えた人がいないという不思議な小説で、本書自体は高名な「千一夜物語」がモチーフになった作品です。
第一章から第三章までは森見登美彦という名の「私」から始まり、白石さん、そして池内氏のノートと、主体が入れ代わって『熱帯』という小説について語り、第四章、第五章で『熱帯』の内容、そして謎について書かれています。
一度は章ごとの大まかなあらすじを書こうかとも思ったのですが、直接に読んでもらった方がいいだろうと、まとめるのをやめました。
まあ、まとめるのが難しいということもあるのですが・・・・。
本書の著者が森見登美彦という少々不思議な物語を書かれる作家さんですので、本書も風変りな小説だとは思って読み始める人がほとんどだとは思います。私もそうでした。
しかし、いざ読み始めてみるとかなり振り回され、読み終えたときには、よくわからん、ということになってしまいました。
つまり、普通の作品は原因があって、結果が起こるという流れに沿って物語が流れていきますが、本書の場合、因果の流れはどこへやら、結末がどこかへ消えてしまったような、奇妙な終わり方をしているのです。
ただ、こう書くことはもしかしたら私自身の読解力の無さを露呈しているのかもしれません。
というのも、本書についてのネット上での評価は非常に良いのです。本書が直木賞や本屋大賞の候補作としてノミネートされていることからも客観的な評価の高さは裏付けられています。
最後まで読み通すことが難しかったというわけでもないし、単に個人的好みとは少々異なっていた、といういうべき作品でした。