出くわした火事で、焼け出された美女を助けた深川の幇間・玉吉。焼け跡からは、何者かに斬殺された二つの死体が見つかる。詳しい事情は話せないが帰るところがないと泣く女を放っておくことができず、玉吉は長屋に匿うことに。だが、秘密を抱えた女に再び魔の手が迫る。調べを進める玉吉はやがて、名家の存亡に関わるとんでもない事実を知ることになるのだった―。元御家人の太鼓持ちが颯爽と闇を討つ!(「BOOK」データベースより)
少々本業が忙しく、気づいたら一月以上の間が空いていました。少しずつでも読んではいるので、もう少し間隔を詰めるようにしなくては。
ということで、9月の初めには読了していた作品です。
本所五ツ目の五百羅漢寺に来ていた玉吉らは、見つけた火事の現場の現場に行く途中、侍の一段とすれ違い、火事の現場では裸の女を拾うことになる。また火事場では二人の死体が見つかり、玉吉らは謎の侍たちに襲われるのだった。
巻を進めるごとに本シリーズの色がはっきりとハードボイルドになってきました。特に前巻はそうだったのです。本書はまた捕物帖としての色合いに戻るのかと思っていたのですが、前巻ほどではないにしろ、やはりハードボイルドでした。
拾った女とともに殺されていた侍の身分が明らかになるにつれ、事件の背景を探っていた玉吉は侍たちに襲われ、やっと一命を取り留めたりもしますが、なかなかにその展開が読者を引きつけます。謎解きそのものがメインではないのですが、その探索の過程での玉吉の活躍が見せ場を欠かしません。
ただ、玉吉の幇間という設定は本書でもあまり意味がありません。別に読み手がその点にこだわる必要はないとは思うのですが、ユニークな設定だけにもう少し幇間という職業を生かした筋立てを見せてもらいたい気もします。
本書は特に終盤に作者の力量が現れているような気がします。みえという拾われた女のキャラクターがどんどんはっきりとして来るのも面白いのですが、新たに玉吉の過去を知る人物が登場し、場面を盛り上げます。
ここらのみえという名の女や新しい登場人物の行動の描き方がへんに理屈っぽくなく、ざっくりと断定されていて実に小気味良く感じました。
立ち回りの場面のテンポの良さも含めて読んでいて調子いいのです。というよりも私個人の好みに合致していたといった方が良いのかもしれませんが。
今後の展開が楽しみなシリーズです。
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本業が忙しいって!
イイことじゃないですか~[絵文字:i-233]
私の場合、本は楽しみで読めば良いと思っているのでボチボチです[絵文字:i-236]
本書のシリーズも面白そうですね~
作品紹介が上手です!
友達に「読んだ屋」のブログを紹介したら、やっぱりsiroさんの文章が上手だと言ってましたよ~
無理なく楽しんでアップしてください。
> 本業が忙しいって!
> イイことじゃないですか~[絵文字:i-233]
まあ、そうなんだけどね。
> 本書のシリーズも面白そうですね~
宇江佐真理などのようにしっとりと読みこむ本とはかなり違うけど、この本はまた違った面白さがあります。
> 友達に「読んだ屋」のブログを紹介したら、やっぱりsiroさんの文章が上手だと言ってましたよ~
有難う。
褒め言葉はそのまま受け取るので、そう言ってもらえれば嬉しいです。
書評をこれだけ綴れることってすごい。
私も頑張っています。