森崎友理子は小学五年生。ある日、中学生の兄・大樹が同級生を殺傷し、失踪するという事件が起きた。兄の身を心配する妹は、彼の部屋で不思議な声を聞く。「ヒロキは『エルムの書』に触れたため、“英雄”に憑かれてしまった」。大叔父の別荘から彼が持ち出した赤い本がそう囁いていた。友理子は兄を救い出すべくたった一人で、英雄が封印されていた“無名の地”へと果敢に旅立った。(上巻 : 「BOOK」データベースより)
友理子は“印を戴く者”ユーリとなり、額の印に魔力を授かって無名の地から帰還した。兄を探して、彼女が次に向ったのは『エルムの書』発祥の地ヘイトランドだった。従者として連れ帰った無名僧ソラ、魔法でネズミに化身した赤い本アジュ、謎の“狼”アッシュも同行するが、旅先では幾つもの試練が待ち受けていた―。苛酷な冒険の果て、ユーリが知らされる驚愕の真実と本当の使命とは?待ち受ける幾つもの試練と驚異。手に汗握るめくるめく冒険譚。(下巻 : 「BOOK」データベースより)
久しぶりに宮部みゆきを読みました。ファンタジーです。
主人公は小学5年生の森崎友理子という女の子です。同級生を殺傷し行方不明になってしまった兄大樹を探しに旅立つ、という物語で、『物語』それ自体が意味を持つ世界のお話です。
一言でいうと少々残念な作品ではありました。ブレイブストーリーのあのストーリー展開の面白さは後退し、妙に理詰めで一本調子でした。宮部みゆき作品らしくないのです。
更に言えば、理詰めであるということが、主人公が小学五年生であることにより違和感は増幅しました。
私は今でもこの本の世界観を理解出来ていません。少々難解なその世界観を理解するために時間を費やしたくないとい言うのが正解かもしれません。
その難解な世界観を小学五年生が理解できる筈がないと思ってしまったのです。事実、小学五年生には少々難解に過ぎはしないかと思われる個所があちこちにあります。
物語は、特に世界を新しく作りだす「ファンタジー」は、その世界がその物語として破綻していては一気に興が覚めます。本書が破綻しているとは言いませんが、破綻させないために無理をしている印象です。
確かに、世界観がユニークである点はさすがだと思います。しかし、きちんと構築された世界でテンポよく物語が展開する点が宮部みゆきの魅力だと思いますので、少々残念でした。
「読む者を破滅に導く恐るべき戯曲『黄衣の王』」は「『クトゥルフ神話』のなかの呪物の一つ」だと、あとがきに書いてありました。であれば、なおさらにテンポ良い物語に仕上げてくれていれば、と更に残念に思えます。
本書についてはケチばかり書いてしまいました。勿論最後まで読みましたし、読めばそれなりに面白いとは思うのです。ですが、著者が宮部みゆきである以上、少々ハードルを高くして読んでしまうので辛口になるのは否めないところです。
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宮部作品で面白くないと思う作品もありました、好みなので一概に面白い面白くないと評価してはいけないとは思いつつ、「小暮写真館」「名もなき毒」がテンポ悪しと思うのですが、ちなみに「火車」で宮部みゆき作品に入り込みました。
> 宮部作品で面白くないと思う作品もありました、好みなので一概に面白い面白くないと評価してはいけないとは思いつつ、「小暮写真館」「名もなき毒」がテンポ悪しと思うのですが、ちなみに「火車」で宮部みゆき作品に入り込みました。
「名もなき毒」は結構面白く思いましたが、「小暮写真館」は私も今一つでしたね。
この作家の本も読んだ事がありません。
「模倣犯」は映画を観ました。
こうやって、読んだことのない作家の本を紹介されると一応ネットで検索してみます。
宮部みゆきさんの経歴もなかなか面白いですね~
紹介されるのをきっかけに、いろんな情報を知る事ができて楽しいです[絵文字:v-392]
> この作家の本も読んだ事がありません。
かなりのベストセラー作家だよ。
> 「模倣犯」は映画を観ました。
映画は今一つでしたね。
中居正広には少々荷が重い?
> 宮部みゆきさんの経歴もなかなか面白いですね~
大沢在昌、京極夏彦と共に「大極宮」というサイトをやってます。