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神去なあなあ夜話 | 三浦しをん


三重県の山奥、神去村に放りこまれて一年が経った。最初はいやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、いつのまにか林業にも夢中になっちゃった平野勇気、二十歳。村の起源にまつわる言い伝えや、村人たちの生活、かつて起こった事件、そしてそして、気になる直紀さんとの恋の行方などを、勇気がぐいぐい書き綴る。人気作『神去なあなあ日常』の後日譚。みんなたち、待たせたな!(「BOOK」データベースより)


前作『神去なあなあ日常』のその後の物語です。中村林業株式会社の正社員になった平野勇気の、ネット接続もないパソコンに入力されている読者のいない記録、という設定もそのままです。

今回は「神去山の起源」から始まる全七夜の構成になっていて、繁ばあちゃんの語る神去村の起源が語られる昔話が第一夜です。

次いで第二夜は「神去山の恋愛事情」。ヨキとその妻みきさんとの馴れ初めの物語。

第三夜「神去山のおやかたさん」と第四夜「神去山の事故、遭難」とで、中村林業株式会社の社長中村清一さんとヨキたちの親を襲った災難についての話が明かされます。

第五夜「神去山の失せもの探し」は巌(いわお)さんちの裏山にあるお稲荷さんのお話。

第六夜は「神去山のクリスマス」で、クリスマスを知らない清一さんの子、山太のために皆でクリスマスパーティを企画し、最終夜「神去山のいつもなあなあ」でクリスマス当日のパーティの模様が語られます。

勿論、これらの話の間には山のトリビア的知識もちりばめてあります。

例えば、周りの山は殆ど植林されていて杉かヒノキしかないので紅葉することはありません。しかし、それら緑の中にぽつぽつと広葉樹があって色を変えるけど、何故広葉樹があるといえば、一つには土地の境界を示すことであり、一つにはご神木だったりして切れない、などのいくつかの理由があるのです。

また、勇気と直紀との恋の行方も記してあります。というよりも、全体を通して、この二人の恋の進展が語られているとも言えるでしょう。

前作に比べると少々全体として小ぶりになっている感じはありますが、それでも三浦しをんの物語です。軽く読めて、それでいてとても心地良い物語なのです。

雑読者

熊本市在住の爺さん。 活字中毒の乱読、雑読派。 SF小説、冒険小説などを特に好む。 音楽はかつてのフォーク好き。洋楽はブラフォー、ビートルズ他。

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