死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛。凛にほのかな思いを寄せる、売れない作家道尾。三人のもとに、傷ついた心を持った人たちが訪れる。友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。自分のせいで孫を亡くした老人…。彼らには誰にも打ち明けられない秘密があった―。人生の光と影を集めた、心騒ぐ五篇。
ちょっとした仕掛が施されたホラーチックな五編が格納された短編集です。
「流れ星の作り方」「モルグ街の奇術」「オディ&デコ」「箱の中の隼」「花と氷」の五編が収納されています。
個人的には一番最初の「流れ星の作り方」が、作品としては一番好きでした。
内容はそうでもないのですが、どことなく詩情(と言えるかどうか)が漂う雰囲気がある描写であることと、物語の構成が泡坂妻夫の作品を思いだすようなタッチで面白かったのです。それと、最後の最後のオチが小気味良く感じました。
そういう意味では「モルグ街の奇術」の作り方も好きでした。
テーマが「モルグ街の殺人」だからでしょう、少々ポーの作品めいて怪奇趣味を持った小品で、それでいてひねりが効いていて面白い作品でした。
「オディ&デコ」は風邪をひいていた真備が発した「鬼の」という言葉が「オディド」と聞こえたところからきていると思えるのですが、少女たちの子猫を思う気持ちと子供達同士のちょっとしたした行き違い、の物語です。個人的には今一つでした。
「箱の中の隼」は新興宗教の、「花と氷」は真備と真備の助手である凛の過去にまつわる物語で、前半のインパクトが強かっただけに、少々失速した感じでした。
読み終えてみると、後半の作品が当初の二作品ほどのインパクトは無いと感じたものの、全体としてはそれでも面白い物語集でした。
本作品の主人公である真備庄介の物語は他に長編があるそうです。ホラー作家の道尾秀介をワトスン役に配したこのシリーズもなかなかに面白そうで、近いうちに読んでみたいものです。
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道尾作品は2冊読みました。
もし、映像化したら暗いものになるような作品でした。
2日間仕事で家を空けていました。
読み始めた本はマイクル、コナリーノ「スケアクロウ」です、この作家の作品は好きで何冊か読んでいます。
スケアクロウも筋書きの佳境に入り今日は深夜になりそうです。
夕食用にスパーであさりを買いました。熊本県産とあり、迷わず手が出ました。
あさりバターでビールにも合いました。
> 道尾作品は2冊読みました。
> もし、映像化したら暗いものになるような作品でした。
そうですね。
この作家の作品は読んだ数は少ないのですが、暗いイメージです。
> 2日間仕事で家を空けていました。
> 読み始めた本はマイクル、コナリーノ「スケアクロウ」です、この作家の作品は好きで何冊か読んでいます。
マイクル・コナリーという作家は多分読んだことは無いと思います。
そのうちに読んでみましょう。