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下町ロケット ゴースト | 池井戸潤


町工場VS.ものづくりの神様
天才エンジニア「青春の軌道」–
町工場VS.ものづくりの神様。
不屈の挑戦が胸を打つ人生讃歌!
ふりかかる幾多の困難や倒産の危機。佃航平率いる下町の中小企業・佃製作所は、仕事への熱い情熱と優れた技術力を武器に、それらを乗り越えてきた。しかし、佃製作所の前にかつてない壁が立ちはだかる。
同社技術力の象徴ともいえる大型ロケットエンジン部品の発注元、帝国重工の思わぬ業績不振。さらに佃の右腕にして、信頼を置く番頭・殿村に訪れた転機ーー。
絶体絶命のピンチに、追い詰められた佃が打開策として打ち出したのは、新規事業であった。新たな難問、天才技術者の登場、蘇る過去と裏切り。果たして佃製作所は創設以来の危機を克服することができるのか。
若き技術者たちの不屈の闘志と矜恃が胸をうつ、大人気シリーズ第三弾!
社運を賭した戦いが、いま始まる。(内容紹介(出版社より))


本書は、第145回直木賞を受賞した『下町ロケット』の続編『下町ロケット ガウディ計画』に続くシリーズ第三弾です。

シリーズの第一作『下町ロケット』、第二作『下町ロケット ガウディ計画』はTBS系の日曜劇場で阿部寛を主演に、安田顕や立川談春、恵俊彰、土屋太鳳、それに吉川晃司ほかのキャストでテレビドラマ化され、大変な人気を博したシリーズです。

実はそれ以前にも、三上博史主演でWOWOWの連続ドラマWでドラマ化されていたのですが、WOWOWを契約していない私はそのことを全く知らずにいました。

TBS版のテレビドラマは豪華なキャストということもあってか大変面白く見させてもらったものです。

しかしながら、やはりこの物語の面白さは原作にあります。池井戸潤という作家の痛快小説の作り方が非常にうまく、どの作品も読んでいてすぐに物語の世界に惹き込まれてしまうのです。

そして、本作『下町ロケット ゴースト』も勿論面白い作品でした。

今回の佃製作所は、まず帝国重工の業績悪化に伴うバルブ供給契約に関する経営上の危機、また別の大口取引先であるヤマタニからの取引縮小の通達などの問題が発生します。

この危機に際してトランスミッション事業への参入を試み、紹介されたギアゴーストというベンチャー企業こそが佃製作所の今後の命運をも握る企業となります。

それは、ギアゴーストとその対抗馬である大森バルブとの競争の物語という意味であり、そしてまた、ギアゴーストと巨大トランスミッションメーカーのケーマシナリーが仕掛けてきた特許権侵害の訴訟の物語という意味でもあるのです。

こうした物語に佃製作所が大きく関わり、物語が展開していくことになるのですが、その様がまさに痛快です。

そして、この物語は一応の決着を見るのですが、話自体は帝国重工のロケット打ち上げに絡む物語となるだろう次巻『下町ロケット ヤタガラス』へと持ち越しになります。

こうした構成は前回のテレビドラマの『ロケット編』と『ガウディ編』と同じつくりであり、原作自体からテレビドラマ化を意識した構成になっているのではないかと思います。

ともあれ、本書が面白いことに違いはなく、次巻『下町ロケット ヤタガラス』は今秋にも発売されるということですので楽しみに待ちたいと思います。

雑読者

熊本市在住の爺さん。 活字中毒の乱読、雑読派。 SF小説、冒険小説などを特に好む。 音楽はかつてのフォーク好き。洋楽はブラフォー、ビートルズ他。

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