鎖鎌、槍、そして居合の遣い手。つわものが揃う山落に三十人抜きを挑んだ弁之助は、七人目で屈してしまう。「弁之助に欠けているものは、あえかとでもいうべきもの」そう指摘され、山深い彼らの集落で画を学ぶことに。里に戻ると今度は義父から、道林坊という住職に画の教えを受けるよう促される。果たして現れたのは見事なまでの陪堂坊主。訊けば人を殺したことがあるという。躍起になって剣術指南を請う弁之助だが―。若き日の武蔵こと弁之助が、血しぶきの先に見たものとは。傑作大河小説、衝撃の第二巻。
一巻目で武者修行の路銀稼ぎにと山賊の住処を襲おうと考えた武蔵達だったが、あっけなく叩きのめされ、逆に武蔵の養父の武仁とも知り合いだったその山賊達の仲間になってしまう。
その後里に戻った弁之助は、道林坊という弁之助の母方の伯父の住職のもとへと画を習いに行くことになった。その道林坊と共に気楽に京へ向かうが、その途中弁之助は佐々木小次郎という若者と出会うのだった。
今回も濡れ場が満載です。弁之助は勿論、小次郎も道林坊の京への途次に説教をうけた女と共に居り、その女を抱いてばかりいます。
この作家の基本として、性を通して人間を描くのでしょうか。まだ読んだ作品が少ないので何とも言えないのですが、そのような匂いがあります。
本書は弁之助と道林坊との小旅行がメインで、色々な人に出会います。そして、禅問答のようなやり取りが続きます。どうかすると言葉遊びではないかとすら思える程です。
だからといって物語の展開が無いわけではなく、佐々木小次郎の登場や、弁之助の初めての人殺しなど、それなりのイベントは起きるのです。
ただ、やはり、少々説教くさい感じはします。武蔵の成長譚(かつて聞いた言葉で言うと「ビルドゥングスロマン」というのでしょうか)なので、ある程度は仕方のないことなのかもしれません。
これまでの武蔵とはまるで異なる宮本武蔵の物語です。今後の展開に期待したいところです。