人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。それこそ現代では「神」に最も近く在る道なのか。世紀末の虚無の中、神の子は暴走する。目指すは、僕の王国!第119回芥川賞を受賞した戦慄の問題作。(「BOOK」データベースより)
この本の作者花村萬月が書いた「武蔵」と言う強烈な個性の本を読んだことから、花村萬月という作家に関心が出て、花村萬月の芥川賞を受賞したという本書『ゲルマニウムの夜』を読んでみました。
結果、「武蔵」で主人公の弁之介が内省的である理由はこの作家の本質なのだろうと思わされました。
本書の舞台は修道院兼教護院であり、主人公は殺人を犯し、かつて自分が世話になっていた教護院に戻ってきた朧(ろう)と言う青年です。
知能指数がずば抜けているこの青年がここに勤める仲間を暴力で圧倒し、修道女を犯し、告解と称し神父を試します。
本書「ゲルマニウムの夜」はエロチックでありグロテスクな小説です。
その文章、というよりも日本語の選択は驚愕的とすら感じます。選ばれた言葉は冒頭から作品の持つ雰囲気を決定づけ、嫌いな人はその時点で手放すかもしれないと感じる程です。
更に、その言葉で死や性行為、そして暴力を語るのですから、個人の好みがはっきりと分かれるでしょう。
著者自らが書いているようにテーマは「宗教」です。人間の根源を問うことにもなるこのテーマだから、暴力と性は避けては通れないものなのでしょうか。
私が読んだ単行本にあった「あとがき」に、「この本におさめられた三つの小説は、宗教を描く長大な作品のごく一部分として書かれました。」とありました。2013年12月12日現在で「風の條 王国記(8)」まで出ているようです。
ただ、それでも第一部の終わりとあるので、まだ続くのでしょう。作品としての好悪はともかく、人間の内面を深く追求するような文学作品を読む体力はないので、個人的にはこのシリーズは多分読み続けないでしょう。
ただ、そこが芥川賞をとるほどの作品なのでしょうが、不思議と気になる本ではあります。
一方、「武蔵」のようなエンターテインメント作品は、例えその本質に同様のテーマを抱えていたとしても読み続けると思います。とすれば、作品の表現の問題にすぎないのでしょうか。
View Comments
何だか重い小説の様ですね~
最近は老眼ということもあり、寝物語に読む程度なので・・・
あまり深い内容の物は無理です。
体力的にもね~[絵文字:v-393]
今は、平岩弓枝の時代小説をいくつか続けて読んでます。これくらいがちょうどいいかなあ~
でも、この小説はちゃんと読めば面白そうですね!
私は多分読まないから、今度もっと詳しく話してください。