ある夜「俺」のところに、結婚詐欺にまつわる依頼が舞い込んだ。詐欺を仕組んだのは、元一流商社マンの伊野田という男だという。さっそく「俺」は、札幌にメディア革命を起こそうと息巻くこの男の企画会社にもぐり込んだのだが…夢見る男の不気味な犯罪を描く中篇「調子のいい奴」ほか、バーにすわった謎の男をめぐる表題作など、5篇を収録。札幌ススキノを舞台にした新感覚ハードボイルド。(「BOOK」データベースより)
図書館に無かったので注文をし、やっと読むことができました。これでこのシリーズ全部を読み終えたことになります。実に残念です。
「俺」が主人公の初めての短編集。いろんな男が登場します。
標題になっている「向う端にすわった男」では、まずは文章がこれぞハードボイルドだという雰囲気をあたりに振りまいています。
そんな男が実際に居る筈もないと思いつつ、それでも<ケラー・オオハタ>では静かな店の中にキースジャレットのピアノが流れており、男はひとり静かにマティニを飲んでいるのです。
これがまた実にかっこいい。ここだけ取り出せば、北方謙三の「ブラディドール」だといっても通るかもしれない。
そうした設定のもとで「俺」はまた悪い癖でトラブルに巻き込まれていそうな男に声をかける・・・・・。
この短編とあわせて5編の物語はやはり面白い。
結局、このシリーズがもっとも私の感性に合うようで、続編を読めるのはいつだろうかと、今から心待ちにしているのです。