私立探偵の畝原はある夜、なにかから逃げている様子の少女を目撃する。乗っていたタクシーで慌てて引き返すものの、少女の姿は忽然と消えていた。翌日、無残な遺体となって発見される少女。畝原は、自責の念から独り聞き込みを行うが、少女の両親の態度に不審を抱くのだった。さらに、かつて連続殺人を犯した少年が周辺に住んでいるという噂が…。果たして少女殺害事件との関わりはあるのか。そして第二の殺人事件が―。私立探偵・畝原シリーズ待望の文庫化。(「BOOK」データベースより)
ある夜、何かから逃げている少女をタクシーの中から目撃した畝原は、タクシーの運転手と共にその少女を探すが見つからない。翌日、その少女は死体で発見された。個人的に事件解決を目指す畝原だが、続いて第2の殺人がおきる。
この作家は物語の作り方が上手いのだろう。
このシリーズも人物造形が極端というか、ありがちな人間ではあるけれども、そこまで行くか、という人物が多数登場し、されらの人物がストーリーを面白くさせていることもまた間違いないと思われる。
謎解きが好きな人たちには物足りなさがあるかもしれないが、個人的にはストーリー重視の物語が好きなのではまるのだと思っている。
社会派と言われる作家の方が好みであるし、この人も現実社会に起きている事件をヒントに物語を構築しているようで、そこが私の好みに合うのだろう。
主人公が家に帰り、家族の日常の微笑の中に幸せを感じるくだりなど、私の好みにぴたりとはまるのだ。