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東 直己 挑発者


「エスパーを自称する男から父親を救ってほしい」―私立探偵・畝原に依頼してきた男は、飲食店を運営する会社の専務で美咲と名乗った。巽大人という怪しげな男に父親である社長が惚れ込み、多額の投資を進めているというのだ。社長の前で巽の詐称を暴く畝原。巽を撃退し、事は済んだかに思われた…。後日、クラブ・キャストたちのミスコンテストの素行調査を依頼された畝原は、その途中何者かに襲われる―。傑作長篇ハードボイルド。(上巻 : 「BOOK」データベースより)

クラブ・キャストたちのコンテストの素行調査を行っていた畝原は、その帰りに何者かに襲われた。畝原が撃退した、自称エスパーの巽たちの仕業なのか。そんな矢先、巽たちの詐欺商法を証言した男が、殺害される事件が起きた。さらに、取材したテレビ・クルーも行方不明に。一方、調査を重ねるごとにミス・コンテストの女性たちに不審な動きが…。身の危険を感じつつ、畝原は真相に近づく。待望の完結篇。(下巻 : 「BOOK」データベースより)


畝原は、似非超能力者の正体を暴いたことで、正体不明の集団から襲われる毎日を送ることになる。

畝原はそうした中でも仕事は続けなければならず、キャバクラの女たちのミスコンのための身辺調査や、夫の浮気調査をこなしていく。

そうした日々の中で殺人事件が連続し、事件は主人公の畝原が請けた調査に絡んでくる。

 

シリーズの流れの中で、新しい生活を得た畝原の身辺は相変わらず暴力の危険に満ち溢れており、家族もその渦中に居ます。

普通のスーパーマーケットで買ったシャツを着る等身大の主人公の生活の中で、この理不尽な暴力への接触だけが特殊で、その特殊な環境の中でこそ主人公の活躍の場面があるようです。

並行する事件の中での殺人事件、その残酷さ、それにより引き起こされる悲哀が丁寧に描写され、一方で家庭の温かさが描かれます。

暴力対して強さを持つ半面、人間としての弱さをも併せ持つ主人公の行動は、その点で読者に共感を呼ぶのではないでしょうか。

ストーリーは若干冗長な点が無きにしも非ずと感じたのですが、それよりも数段面白さの方が勝ち、長編であることを忘れさせてくれました。

雑読者

熊本市在住の爺さん。 活字中毒の乱読、雑読派。 SF小説、冒険小説などを特に好む。 音楽はかつてのフォーク好き。洋楽はブラフォー、ビートルズ他。

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