剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、危ない頭脳派ノリ。あの三人が帰ってきた!書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火…。ご町内の悪を正すため、ふたたび“三匹”が立ち上がる。清田家の嫁は金銭トラブルに巻き込まれ、シゲの息子はお祭り復活に奔走。ノリにはお見合い話が舞い込み、おまけに“偽三匹”まで登場して大騒動!ますます快調、大人気シリーズ第二弾。(「BOOK」データベースより)
あいかわらず読みやすく、そして心温まる作品でした。
第一話は清田清一の息子嫁貴子の物語で、近所のパート先でのちょっとした人間関係が描かれます。第二話は書店での万引きについて。第三話は有村則夫の再婚話。第四話はゴミ捨てにまつわる話、第五話は町内の祭り、第六話はジーサン世代の物語、という構成です。最後に「好きだよと言えずに初恋は」という短編がおまけについてます。
結局この作品は、どの物語も人情物語として仕上がっていると思えます。
そして「人情もの」というのは、個人的には他の人との心のつながりを語る物語だと思っているのですが、本書は夫婦や親子、友人という人間関係の中で、表面的な言葉では伝わらない心の会話について書かれていると感じるのです。
例えば、第二話はある書店の店主と万引きをした中学生との話です。
この書店の店主は、色々あった末に三匹のおっさん達が捕まえた万引きをした中学生に対し語りかけます。そして、万引きをした中学生の、店主の思いに対する応えが暗示的に示されます。
店主と中学生との会話は直接には語られませんが、人の思いの流れがリズム感のある文章で語られ、読み手の心に落ち着くのです。
きれいごとに過ぎないかもしれないのですが、せめて心地よい文章と、その文章で語られる物語の世界に浸るのも良いものです。
有川浩という作家は、この心地よさを十分にもたらしてくれる作家さんだと思います。
おまけとして載っている「好きだよと言えずに初恋は」は、私の好きな歌手村下孝蔵の「初恋」の歌詞の中のフレーズだと思うのですが、内容も初恋の話で、若干のセンチメンタリズムに乗って引っ越しを繰り返す少女の初恋が語られます。
「植物図鑑」を書いたこの作家らしい、植物に絡めた好短編だと思いました。文庫になる時はこの作品も掲載されるのでしょうか。
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「三匹のおっさん」面白そうですね~
ドラマも良かったみたいだし・・・
だいたい「おっさん」をテーマにした本や映画、ドラマはあるけど、オバサンを題材にしたものって無いですよね!
週刊誌の女性自身に連載されている「ナッツ」という猫の漫画があります。
猫が主人公なのですが、ほとんどが飼い主のソネコさんと言うオバサンの話です。
あくまでも漫画ですが、オバサンの本音がなかなか面白くて愛読してます[絵文字:v-410]
多分、ネットでも観れると思うんだけど??
ホントにオバサンを書いた本ってあるかなあ~~??
ソネコさんじゃなくて、ちよ子さんだった![絵文字:i-229]
> だいたい「おっさん」をテーマにした本や映画、ドラマはあるけど、オバサンを題材にしたものって無いですよね!
田辺聖子の作品はおばさんが主人公のものがあった様な気がする・・・。
宇江佐真理にもあったのでは?
毛色はちょっと違うけど、他に誉田哲也のオバサン刑事の「魚住久江シリーズ」とか、オバサンと言えるか疑問だけど東野圭吾の「浪花少年探偵団シリーズ」もありますね。
漫画では「オバタリアン」があったのでは。
他にも色々とあると思います。
> 週刊誌の女性自身に連載されている「ナッツ」という猫の漫画があります。
> 猫が主人公なのですが、ほとんどが飼い主のソネコさんと言うオバサンの話です。
> あくまでも漫画ですが、オバサンの本音がなかなか面白くて愛読してます[絵文字:v-410]
> 多分、ネットでも観れると思うんだけど??
一編だけ四コマを見つけました。
まだ分からないけど、面白そうな感じはありました。
「三匹のおっさん ふたたび」有川浩
剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。「還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬るあの三人が帰ってきた! 書店万引き、不法投棄、お祭りの資金繰りなど、日本中に転がっている、身近だからこそ厄介な問題に、今回も三匹が立ち上がります。ノリのお見合い話や、息子世代の活躍、キヨの孫・祐希とノリの娘・早苗の初々しいラブ要素も見逃せません。漫...
先日は、ありがとうございました。
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