警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。当時の捜査本部は、殺害された二人に面識がなかったことなどから、犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。しかし「メモ魔」の異名を持つ田川は関係者の証言を再度積み重ねることで、新たな容疑者をあぶり出す。事件には、大手ショッピングセンターの地方進出に伴う地元商店街の苦境、加工食品の安全が大きく関連していた。現代日本の矛盾を暴露した危険きわまりないミステリー。(「BOOK」データベースより)
警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する主人公の田川は、居酒屋強盗殺人事件を担当することとなった。
ミスの目立つ初動捜査を調べ直すうち、今では上司でもある初動捜査の担当刑事との確執や、日本の物流の内幕をも暴きだすこととなる。
確かに、一刑事の執念が殺人事件の解決を通じて現代社会の構造的な欠陥を暴きだす、という本作の側面は、同じ様に事件を解決していく中で日本の負の歴史を暴きだした「砂の器」に通じるところが無いとはいえないかもしれません。
しかし、何かが違います。刑事が事実を追うその過程が「砂の器」に比べてやや粗いと感じ、一方相対する犯人側の描写も物足りなさを感じてしまいます。
でも、それは「砂の器」と比較してのことであって、本作品自体を見れば十分に面白い小説です。